クロス取引と税務
金融資産の有効活用が可能な「株取引」などが注目されていますが、このとき、無視できないものとして「株式の譲渡益」があります。
つまり、ある銘柄を購入した金額よりも売却によって得た金額が多い場合、その差額分が「売買利益」になり、課税の対象になるのです。
これは、株取引だけでなく、ほかの金融商品でもいえることですが、売買利益を申告しないでいると脱税とみなされますので、くれぐれも注意が必要です。
金融取引を上手に行うためには、課税対象分を少しでも抑えたいところですが、かといって、利益が少なくなることや損失が生じることは避けたいですね。
そこで注目されているのが「クロス取引と税務との関係」です。
具体的にいうと、購入時よりも相場が下がっている銘柄を販売して「損失」を確定させた後に、その銘柄を同じ数だけ買い戻すやり方です。
クロス取引は、「買い注文」と「売り注文」を同時に行う方法ですが、一時的に手放すことで損失が発生するため、他銘柄で得た売買利益分のカバーが可能になるのです。
このクロス取引と税務との関係を活用できるのは、個人の投資家に限定されています。
また「一定の要件を満たす個人の株式のクロス取引については税務上認められる」との法令解釈通達を適正に活用した合理的な方法だといえます。